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エッセイ「大事な何か」 |
第4章 意志 第2項 精神
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< 柔よく剛を制す >
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ルールなしの格闘技トーナメント・アルティメット大会におけるホイス・グレーシーの戦いぶりは、あまりに神秘的だった。
階級差・体重差が絶対の格闘技の世界で、自分よりはるかにでかい相手を圧倒してしまうのだから、、それも魔法のようにあっけなく…。
日本柔道が巨漢ヘーシンクに敗れ、体格差を思い知らされて久しい。だがそこで見せられたのは、まさに失われた【柔よく剛を制す】だったのだ。
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特に衝撃だったのは、体重差40sのオランダ人柔道家との対戦。
前の試合で、巨体の物を言わせてのしかかり肘を頭に落として失神させるという凄惨な試合をしたその相手に対し、ホイスはゴングと同時に密着した。
やはり体格差はどうしようもない、体制が整えばボコボコだ…
こう着状態の間、そんな風に思ったが、気がつくと、なんと相手の顔が苦痛に歪んでいるではないか。背後から衿を取っている絞め?、あんな片手で苦し紛れにかけている絞めで…。。
試合は二度と動かなかった、体重差がでる前に終わってしまったのである。
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その光景はまさに衝撃的だった、【柔よく剛を制す】をまさに見た。
いくら力が強かろうが体が大きかろうが、力を出せなければ意味はない。
つまりそれは、大きい者の隙のある状態に、小さき者が力を集中させたことによる力の逆転。
いつだったか柔道日本選手権で、72s級の古賀稔彦が95s超級の小川直也に何度も伝家の背負いをかけたが、全く通じず敗れたことがあった。
古賀は体重差のある小川に対して真正面から攻めた、力で投げようとした。
だがそれは剛にすぎない、体の大きい剛の相手に対して剛で攻めたのだ。
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そこで使われたのは、体力ではなく集中力。
その集中力は一番始めに訪れたわずかな隙を逃さなかったほど、高まったもの。そして「隙がない」ということは、自然体・無心であるということ。
相手はあれこれ「どう技をかけようか」と考えながらやっていたが、彼はダイレクトに思考する時間を要さないで動いたのだ。
その精神状態によって、はるかに力の大きい者を凌駕した、ということ…。
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−柔よく剛を制す−、人間の内には秘められた力がある。
そしてその鍵は、自分の内なる「精神」が握っている。
それは、精神の集中を高めることで、自分より大きいもの・強いものにも勝ち得る、ということなのだ。
たしかに外面的な力が上回っている相手に対し、同じ力で対抗しようとしても無理だが、それを少しずらせば、外の力を上回ることが可能なのだ。
自分の力とは、たぶん自分が思っているよりもずっとすごいものなのだ。
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1999/2/6作成 ぜひ一言!アンケート |
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