|
エッセイ「大事な何か」 |
第3章 社会 第3項 経済
|
|
< 報われない競争 >
|
|
とにかく、やらなくてはならない。。
とにかく、そのやらなければならないことをこなさなければならない。。
そこで立ち止まることは許されないのだ。
そこで一人立ち止まろうものなら、たちまち落ちこぼれてしまうのだ。
こうしてはいられない、迷っている暇などない。
そしてそれは、いつまでもどこまでも、終わることなく続いていく…。
|
|
その競争がおかしい、などと考える必要はない。
だってそれをこなすことが求められること、評価されることなのだから。
だが、本音と建て前が分かれている現実では、しばしばそれは公に出来ないことだったりする。
そしてもしその行為に焦点が当てられ建て前がはずされたら、これまでの評価は180度変わることとなる。
|
|
それは求められたからやってきたのだ、誉められるからやってきたのだ。
周りに勝つ為にやってきただけだ、置いてかれない様にやってきただけだ。
それなのに騒ぎになるや否や、それまでさんざん誉めてきた組織も「以前から不正を働いていた」などと手のひらを返してしまう。
その終わりのない消耗戦にたとえ勝ったとしても、一本のリークで首が飛ぶ…、つまりその境遇は「やってもやらなくても、どう転んでも失敗する」という、何とも哀しいものなのだ。
|
|

|
|
その哀れな境遇に、さらに組織の対応がとどめを刺す。
その日常の秘め事が明らかになった時の組織の対応は、「それは全て担当者個人によるものだ」と、自分一人に責任をおっかぶせられてしまうのだ。
組織が何より嫌がるのは、対面を傷つけられること、権威を汚されること。
その不正が組織ぐるみだということは、是が非でも隠し通さねばならない。
そもそもそれは暗黙の了解だから、会社は真顔で「一切知らない」と言える。
「それどころか我々は被害者なのだ」とまで言ってのけてしまう。
哀れな小羊は懲戒解雇された挙げ句、会社から告訴される始末となる。。
|
|
その競争を続けても、結末は悲惨なものでしかない。
それは、不正融資や損失補填、利益供与、特別背任などで逮捕される大企業の重役たちを挙げるまでもないこと。
しかも最近では、その流れはそのままに都合の良いところだけ実力主義が導入され、「さんざん無理をさせられた挙げ句、動けなくなったらお払い箱」なんていう事態の懸念もある。
それはあまりにも報われない境遇、あまりに報われない競争…。
|
|
98/10/19作成 11/26改訂 ぜひ一言!アンケート |
    |