エッセイ「大事な何か」 第3章 社会 第1項 文化

< 大器晩成 >

 

 日本というのは「大器晩成」の国だと思うのですね。
米国なんかは、「才能」の国という感じじゃないですか。
自由であることを掟とすることで世界中から才能が集まってきて、それによって社会を強力に前進させているわけですし。
たしかにそれはいいですけど、それをそのまま日本に当てはめることはできないですよね。



 だって日本はせまい国ですから。
考えてみればせまいからこそ、編み出された文化なのかもしれません。
大器晩成、、それは大きな器はあとになって大成する、ということ。
その子を全体的な観点から見て育てる、、時間はかかるけどいろんな経験をすることでその子が自分の道・スタイルを確立していく。。
この日本の伝統文化は、とてもすばらしいと思います。



 少ない人材をいかに損なうことなく育てるか。
先人達の智恵には一人一人の子を大切にしようとする思いが感じられます。
その子が自分の力で自立できるようになったら、その人生はとても充実したものになりますし、そうなったら社会にとっても「適材適所」を達成することができるのではないでしょうか。






 近頃の大人は、目先のことを追い過ぎてやいないですかぁ?
子供は大人の鑑なのに、何かしたら平気で「子供が悪い」って反応しますし。
それに最近ではすっかり「大器晩成」なんてなくて、米国みたいに「才能、才能」の一点張り。。
でも、こんな小さな国で才能ばかり求めたってそんな出てくるわけないし、逆に子供が可能性を見てくれない不満をつのらせたら、それこそ社会にとって良くないと思うのですけど。



 大器晩成、、その文化を大切にしたいです。
そのためには、大人が子供の多少の戯れ事をも受け入れる広い心とゆとりが必要でしょうね。
中田ヒデとか宇多田ヒカルみたいな才能豊かな「早熟の天才」ももちろんすごいですけど、僕は「晩成の大器」こそ人を育てる上での真実が秘められていると確信しています。




99/12/4作成

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